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仮想環境での知識蓄積による電気機械の異常検出システム
 
電気機械にはメンテナンスが欠かせません。しかし,近年の科学技術の発達によってその方法も変化しています.しかし,専門的な知識を要する異常検出はユーザにとっては困難であり,一般には故障が起きてから修理するといった方法が採られているのが現状です.
 本研究では,電動機を用いた電気機械で,電動機から得られる情報を基にしてそれに接続されている機械部分の異常を検出しようとするものです.

概念図

計測自動制御学会 システム・情報部門学術講演会2002 発表論文より抜粋
 現在のメンテナンス技術は,ネットワークをはじめとする情報技術を用いて事前に故障を防止する方法が主に採られているが,最近は機械の生産から廃棄・リサイクルまで考えたライフサイクルメンテナンスも提唱されている.しかし,情報技術を利用したメンテナンスが行われている現在でも,その方法の共通化やデータの共有化といったものはなかなか議論が進んでいない.それは,メンテナンスというものが機械そのものの特徴に大きく依存しており,いまだに人の経験によるところが大きいからである.メンテナンス方法やデータは会社内などにおいては情報技術を用いて独自のシステムが存在しているが,それを共有化するのにはまだ議論が始まったばかりの段階である.
 メンテナンスを行う際には,測定したい物理量をセンサによって知らなくてはいけない.ここで電動機を使っている電気機械のメンテナンスに着目する.電動機の電流は負荷の変動の影響を受けるため,電動機をセンサとしての役割を持たせると,その電流を測定することで接続物体の異常検出に利用できることが考えられる. このため,接続物体の様子を知るのにこれまでは加速度センサや回転計など様々なセンサを用いていたが,この方法では機械の状態を知るためのセンサの削減が期待できる.
 以上のことをふまえた異常検出システムを実現するために,あらかじめ接続負荷に異常を起こし,その状態における電流解析結果を蓄積させ,この蓄積データを基に異常検出を行う方法を考える.しかし,意図的に異常状態を作り出し,それを繰り返すことは時間とコストの浪費が問題となる.そこで本研究では仮想環境を利用してこのシステムを実現する方法を提案する.
 仮想環境を構築し,そこで誘導電動機を駆動して電流をデータ処理し,知識として蓄積する.知識を作成するためのデータ処理には産業応用の分野でエンジンの異常診断や軸受の劣化診断など,成功例が多く報告されているウェーブレット変換を用いる.この知識を利用することで,これまで人間によって行われていた異常判断を自動化することや,ネットワークを介してこの知識を共有化することもできる.

 

電気自動車を想定した簡易車両モデルを仮想世界で作成し,歯車の異常に関して知識蓄積を行いました.今後は,実機を用いて実際に異常検出ができるのかを検証する予定です.